極低炭素鋼やステンレス鋼のように炭素の添加がなされない鉄も「鋼」と呼ばれる。
これをデフォルト鋳型に流したものが「鋳物」とも呼ばれる鋳鉄である。
言い換えると、フェライトのC最大固溶量(0.02%)からオーステナイトのCマックス固溶量(2.14%)までの範囲の部位とも定義できる。
この炭素の少ない鉄が鋼鉄である。
Fe-C系2元合金において、C含有量が0.02%以下のものを鉄と呼び、2.14[mass%]以上のものを鋳鉄と呼ぶ。
鉄の特性は、含まれる炭素の量で大きく移り変わりする。
鋳鉄はもろくて可塑性がなく、鎚で叩いたり、曲げたりすると割れてしまう。
もろい銑鉄から炭素を除去すると、鉄は強靭になるとともに可塑性を持ち、叩いて整形(鍛造)したり、曲げたり、延ばしたりの加工ができるになる。
鉄鉱石を還元したものを銑鉄といい、4%から5%の炭素を含む。
現在の金属学の定義では、Fe-C系2元合金において、C含有量が0.02-2.14%の範囲にある部位である。
国際規格のISO4948-1では、俗に2.0%以下の含有量の炭素と他の元素を含む鉄の合金を鋼(英語:steel、フランス語:acier)と定義している。